回線速度に影響するレイテンシとはなに?測定方法や数値の目安、改善方法を紹介

ネット回線スピードテスト運営部(ニフティ株式会社)

利用しているインターネット回線の便利さを左右するのは通信速度ですが、レイテンシの数値もチェックが必要です。レイテンシの安定性はインターネット回線の種類によって異なるので、用途に見合った回線選びが求められるでしょう。

本記事では、快適にインターネットを利用するうえで見落とせない「レイテンシ」について解説します。

スピードテストで回線速度を計測

レイテンシとは

インターネット回線の性能を測る要素として挙げられるのは、主に以下の3つです。

  1. 通信速度
  2. レイテンシ
  3. Ping値

通信速度は名前の通り、利用するインターネット回線が出せる速度で、WEBサイトや動画を読み込む速さを左右します。

インターネット回線の性能を判断する場合は通信速度だけが重要視されがちですが、インターネット回線の応答速度を意味するレイテンシやPing値も大切です。

 

本記事で解説するレイテンシは、以下のどちらかを表す数値です。

  1. デバイスからサーバーへ向けての要求が届く速度
  2. デバイスからの要求を受け取ったサーバーが対応する速度

 

これだけ見てもわかりにくいですが、WEBサイトを見ている状況を例に、この2つを噛み砕いて説明しましょう。

「1」はWEBサイト中のリンクをクリックすることで発生する次のページを表示するという要求がサーバーに届く速度といえます。

「2」はデバイスから受け取った要求をサーバーが処理して、次のページを表示するまでの速度です。

 

通信速度がどれだけ速くても、レイテンシが遅いとリンクをクリックしてから次のページが表示されるまで時間がかかる恐れがあります。

Ping値も応答速度を表す点では同じですが、厳密な違いがあるので注意が必要です。

違いについては後ほど「レイテンシとPing値の違い」の項目で解説します。

レイテンシとPing値の違い

レイテンシとPing値はどちらもインターネット回線の応答速度を表す数字ですが、少し違いがあります。

先ほど「レイテンシとは」の項目で説明しましたが、レイテンシはデバイスからサーバーへの要求が届く、またはサーバーがデバイスからの要求に対応するまでの時間です。

Ping値はデバイスからサーバーに要求を送り、サーバーがデバイスに対応するまでの時間です。

WEBサイトを閲覧している状況を想定すると、リンクをクリックしてから次のページが表示されるまでの時間がPingといえるでしょう。

つまり、レイテンシはサーバーまでの片道を移動する時間、Ping値はデバイスとサーバーの間を往復する時間なのです。

Ping値については以下の記事で詳しく解説しているので、併せて参考にしてください。

レイテンシの見方

レイテンシは「ms(ミリ秒)」という単位で表されており、数値が低いほど回線の応答速度が速いとされています。

通信速度と違って数値が低いほど良好な状態とされます。

ちなみに、通信速度は「bps(ビーピーエス)」という単位で表現され、1秒間に転送できるデータ容量でスピードを表しています。一般的には、より大きな速度を示す「Mbps(メガビーピーエス)」や「Gbps(ギガビーピーエス)」が使われます。

レイテンシが求められる場面

WEBサイトや動画を見るシーンでは、レイテンシが高くても通信速度が速ければ、WEBサイトや動画の読み込みが開始するまで少し間ができても、読み込み自体はスムーズに行われます。

しかし、オンラインゲームでのレイテンシは、コントローラーを操作してから動きが反映されるまでのスピードのため、レイテンシが高い状態でオンラインゲームをすると、遅延が発生して思うような操作が行えません。

オンライン会議でもレイテンシが重要で、双方の動きや音声やミーティングに反映されるまでの時間を左右します。レイテンシが低ければ快適かつスムーズにミーティングができるでしょう。

必要なレイテンシの目安

Ping値で回線の応答速度の基準を表すと、以下の通りになります。

  • 0~40ms:速い
  • 41~60ms:普通
  • 61~100ms:やや遅め
  • 101ms~:遅い

しかし、「レイテンシとPing値の違い」の項目で説明した通り、レイテンシはサーバーまでの片道、Ping値はサーバーとの往復という違いがあります。

レイテンシを基準にすると、速さの目安は以下の通りになります。

  • 0~20ms:速い
  • 21~30ms:普通
  • 31~50ms:やや遅め
  • 51ms~:遅い

レイテンシとPing値で応答速度の必要な目安の数値が大きく変わるので、注意が必要です。

以上を踏まえて、用途別に必要なレイテンシの目安を解説します。

WEBサイトの閲覧や動画視聴

WEBサイトやSNSの利用、動画視聴といったカジュアルな用途であれば、レイテンシが20〜30ms程度で問題ないでしょう。

4Kの高画質動画をダウンロードする場合は25ms以下であるのが理想ですが、基本的に30msを下回っていれば問題ありません。

 

オンラインゲーム

オンラインゲームでは、プレイするジャンルによって必要なレイテンシが異なります。

FPS系や格闘系といったオンライン対戦型であれば、10ms以下であるのが理想です。プロ志向で遅延を最小限にしたのであれば5ms以内に収めたいところでしょう。

麻雀やポーカーといった動きが激しくないジャンルであれば、25ms以内で問題ない場合が多いです。

 

オンライン会議

オンライン会議ではレイテンシが25ms以下であれば大きな問題は起きないでしょう。

レイテンシの数値がさらに低ければ、さらにクリアな映像と音声でミーティングが行えます。25msを大きく上回るとラグが発生して映像が止まったり、音声が途切れたりする恐れがあります。

レイテンシの測定方法

レイテンシは通信速度の計測サイトで測定できます。

計測サイトはいろいろありますが、一般的に「計測開始」といった言葉が書かれたボタンを押せば通信速度とレイテンシを測定できますが、サイトによってレイテンシとPing値のどちらが計測されるか異なるので注意しましょう。

詳しい計測方法や結果の見方は以下の記事で解説しているので、併せて参考にしてください。

レイテンシや通信速度を改善する方法

レイテンシの数値が高い場合、以下のどれかに問題があると考えられます。

  • インターネット回線の性能
  • 無線LANルーターなど周辺機器の性能
  • デバイスのスペック

特に注意したいのはインターネット回線の性能です。レイテンシは通信速度以上に、インターネット回線の品質で数値が左右されます。

モバイルWi-Fiルーターやホームルーターを使うタイプは通信速度こそ出ますが、電波の状況が少し変わるだけでレイテンシが変化します。

そのため、レイテンシを安定させるのであれば光回線の利用が望ましいです。周辺機器やデバイスのスペックもレイテンシを左右するポイントなので、注意しましょう。

レイテンシや通信速度の改善なら@nifty光

レイテンシや通信速度を改善するには光回線がおすすめですが、どの光回線を利用するかでもレイテンシは左右されます。

レイテンシの数値を改善する際は、以下の条件を満たした光回線を選びましょう。

  • IPv6に対応している
  • 高速通信が可能

おすすめに挙げられるのは「@nifty光」で、IPv6対応なので時間帯問わずレイテンシと通信速度が安定します。

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  • 2025年6月時点の情報です。
  • 本文中に記載されている通信速度は理論値です。必ずしもこの速度が保証されているものではなく、お客様の通信環境や接続の時間帯などによっては、思うように速度が出ない場合や接続が不安定な場合があります。

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ニフティ株式会社は1986年に創業し、30年以上にわたりご家庭や企業のみなさまへ光回線などのインターネットサービスを提供しています。(→@nifty光 はこちら